2025年秋冬のメンズファッションは、リラックス感と上質さの絶妙なバランスが鍵となります。オーバーサイズの流れを継承しながらも、よりメリハリのある洗練されたスタイルへとシフト。今季押さえておきたい主要トレンド5つを、スタイリングのポイントとともに詳しく解説します。

1. トレンドカラーは「アース&クラシック」で大人の余裕を演出

2025年秋冬は、派手な色よりも落ち着きと深みのあるカラーパレットが主流です。自然を感じさせるアースカラーとクラシックなトーンを基調にすることで、日常のコーディネートを格上げできます。

今季のキーカラー

リッチブラウン
今季の主役カラーの一つ。チョコレートのような深みのあるブラウンは、クラシックで落ち着いた印象を与えます。レザージャケットやウールコート、ニットなど、あらゆるアイテムで取り入れやすく、大人の品格を演出できる万能カラーです。

ミリタリーグリーン / オリーブグリーン
自然志向やミリタリースタイルの再評価により、再び脚光を浴びているカラー。都会的で洗練された雰囲気を持ちながらも、カジュアルダウンしやすい絶妙なバランスが魅力です。カーゴパンツやMA-1、フィールドジャケットで取り入れると効果的です。

チャコールグレー
知的でクリーンな印象を与える定番カラー。黒よりも柔らかく、モノトーンコーデに奥行きを与えます。スラックスやテーラードジャケットで取り入れれば、ビジネスシーンからカジュアルまで幅広く対応できる優秀カラーです。

差し色で個性をプラス

全体が落ち着いたトーンになる分、深みのある鮮やかなカラーを差し色として取り入れるのが今季のポイント。ボルドーのニット、鮮やかなブルーのマフラー、オレンジのスニーカーなど、アクセントとして投入することで、コーディネートに立体感と個性が生まれます。


2. シルエットは「リラックスとメリハリ」でバランスを取る

数年続いているオーバーサイズやワイドシルエットのトレンドは継続しますが、2025年秋冬はただ大きいだけではなく、着丈や素材感でメリハリをつけることが重要になります。

ワイドボトムスの進化

ワイドデニム、カーゴパンツ、ワイドスラックスは引き続き主流ですが、今季はバギーシルエットやバレルシルエット(樽型)といった、より個性的なフォルムも注目されています。裾に向かって緩やかに広がるシルエットは、脚のラインを拾いすぎず、リラックスした印象を与えます。

ショート丈アウターの再燃

ボリュームのあるワイドパンツとの相性を考慮し、ショート丈のブルゾンがトレンドに再浮上しています。フライトジャケット、ワークジャケット、ショート丈のレザージャケットなど、腰骨あたりで終わる着丈のアウターが注目株です。

縦長のAラインシルエット

ショート丈アウターとワイドパンツを組み合わせることで、脚長効果のあるメリハリの効いたAラインシルエットが完成します。上半身をコンパクトにまとめることで、ワイドパンツのボリューム感が強調され、スタイリッシュかつモダンな印象に。このバランス感覚が2025年スタイルの核心です。


3. 素材と質感で差をつける「上質素材とヴィンテージ」

単なるカジュアルではなく、素材の高級感やクラシックな雰囲気を日常着に取り入れることで、ワンランク上のスタイルを実現できます。

レザーアイテムの多様化

ジャケットやパンツだけでなく、バッグやシューズでもレザーが注目されています。特にスエードなど、上品で柔らかな印象の素材がトレンド。マットな質感が、秋冬の落ち着いたカラーパレットとも相性抜群です。レザーは経年変化を楽しめる素材でもあり、長く愛用できる投資価値の高いアイテムです。

クラシカルな柄で知的に

大胆な柄よりも、トラディショナルなチェック柄が人気です。特にオンブレチェック(グラデーションのようなぼかし効果のあるチェック)は、コーディネートに知的なアクセントを加えながらも主張しすぎない絶妙なバランス。シャツやスラックス、ジャケットで取り入れると効果的です。

高機能とヴィンテージの融合

Y2Kトレンドの再燃により、ヴィンテージデニムやヴィンテージ加工のジップアップパーカーが再評価されています。これらに機能性素材をミックスしたスタイルも注目株。例えば、ヴィンテージ風のデニムジャケットに、ハイテク素材のインナーを合わせることで、懐かしさと新しさが同居する独特のスタイルが生まれます。


4. 今季マストな注目アウター&トップス

テーラードジャケットの新しい着こなし

クラシックなトレンドを象徴するアイテムとして、テーラードジャケットが再び注目されています。しかし、かっちりとしたセットアップスタイルだけではなく、パーカーやデニムと合わせて「きれいめカジュアル」に着崩すのが今季の主流。リラックス感を保ちながらも、きちんと感を演出できる万能アイテムです。

ニットの多様化で表情豊かに

秋のトップスとして、ニットポロやハーフジップニットが人気を集めています。Vネックニットは首元をすっきり見せ、顔周りを明るく見せる効果も。素材も、カシミヤやメリノウールなど上質なものを選ぶことで、シンプルながら存在感のあるスタイルが完成します。

ボリュームアウターは色で大人っぽく

ロング丈のコートやダウンジャケットは、引き続きボリューム感のあるものがトレンドです。ただし、色選びが重要で、落ち着いたアースカラーやチャコールグレーを選ぶことで、ボリューム感がありながらも大人っぽい印象をキープできます。オーバーサイズでも子供っぽく見せないのが、2025年流です。


5. スポーティ&ワークの「格上げ」で洗練された日常着を

アウトドアやワークの要素を、より洗練された形で日常に取り入れる流れが加速しています。機能性とファッション性の融合が、今季のキーワードです。

Gorpcore(ゴープコア)の進化

アウトドアブランドのアイテムを、スラックスなどきれいめなボトムスと合わせる「大人のスポーツミックス」が主流になっています。登山靴のようなトレッキングブーツをスラックスに合わせたり、マウンテンパーカーをテーラードパンツと組み合わせたり。機能美とファッション性の共存が、都会的で洗練された印象を生み出します。

Elevated Daywear(格上げされた日常着)

シンプルな日常着に、カシミヤやシルクといった上質素材や、美しいシルエットを取り入れることで、「小慣れた」上質カジュアルを目指すスタイルがトレンドです。Tシャツでも上質なコットンを選んだり、スウェットでも美しいドレープが出る素材を選んだり。細部にこだわることで、リラックスしながらも洗練された大人のスタイルが実現します。


まとめ:2025年秋冬は「バランス感覚」が鍵

2025年秋冬のメンズファッションは、リラックスと洗練、カジュアルとクラシック、機能性とファッション性といった、一見相反する要素を絶妙にバランスさせることがポイントです。

  • カラー:アースカラーとクラシックトーンをベースに、差し色で個性をプラス
  • シルエット:ワイドボトムス×ショート丈アウターでメリハリを
  • 素材:上質な素材とヴィンテージ感の融合で奥行きを
  • アイテム:定番を新しい着こなしで再解釈
  • コンセプト:日常着を格上げする意識

これらのトレンドを自分のスタイルに合わせて取り入れることで、2025年らしい洗練されたファッションが完成します。まずは気になる要素を一つだけ取り入れることから始めて、徐々に自分らしいスタイルを確立していきましょう。